――真裕(真緒)サイド――


「……」

「……」

「……」

「……」


ぽかーん。


……っていうのが今一番あたし達にふさわしい言葉だと思う。


画面にはなぜかかっくんが映っていて、ついでになぜか父様もあたしの部屋にいる。


「…かっくん」


かっくんだ。

まおのかっくん……。

すっごおーく会いたいかっくん…。


「……」

「……」

「ま…」


「きゃは~~~っっ❤❤かっっっっくいい~~~!!」


「……は?」


きゃーっきゃーっきゃーっ!

まおのかっくんてれびにうつってる!

にゃああ~~かっくいい~~❤


「梨音梨音、かっくんだお!」


梨音を呼びつけてテレビを抱え、きゃーきゃーはしゃぐあたし。

慌てて言いかけて止まったままのりんりんなんて、口も開いたままでただ見ている。


「うふ……❤かっくんだいすき…❤」


めっちゃかっこいい…。

バイオリン弾いてるよぉ~!