「古文苦手!」



今日はあたし(北条加奈)の家で勉強中。


「落ち着け!!加奈」


もちろん彼氏なんていない私と沙羅の二人だけだ。


「はあい…」


口を膨らましてると沙羅は時計を確認して立ち上がった。


「私そろそろピアノだわ。帰るね?」


「送るよ」


私も立ち上がって玄関に向かう。



「また来てね?古文わかんないからね?」


「ほーい」


と頭をなでられ外にでる。

曲がり角の大通りでバイバイ。


「バイバーイ」


まるで子供のようにあたしは手を振って。


背中が見えなくなった途端手を下げる。