ケータイ小説 野いちご

[企]*white valentine*

1:雪男来店



昨日見たデパートのショーウィンドウはまだ秋めいていた。


午後の斜光が舞い込む喫茶店もあたたかく、寒さは身を隠している。

それでもカレンダーは12月、もう冬だ。



喫茶店内は忙しいランチタイムが終わって騒がしさもなくなり、店員も落ち着き始め、

軽く友達とお茶しにやってくるお客さんや、コーヒー片手に読書をしようとやってくるお客さんで溢れている。


みんな、時間をじっくりゆったり、大切に過ごしていて、私はこういった風景を見るのが大好きだ。


それが好きでこの喫茶店でのバイトを始めたくらい。

場所がオシャレな大通りにあるせいか、お客さんも雰囲気のある人が多くて楽しい。



「菜月(なつき)、そろそろ休憩行っておいで?

今日寒いから覚悟して外に出た方がいいよ」



ランチの時間帯を外して休憩を取ってきた同僚のチサに声を掛けられた。


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