病室のベッドの上で
今日も息をしている。



手足はむくれて
顔は赤く腫れ上がり
目はそれにより
開かない状態にある。

髪は抗がん剤により抜け
それを隠すように
ニット帽を深くがぶっている。

もう喋る事はできない。
それでもみんなの声に
小さく頷く。




おかん。
まだ生きたい?
もう楽になりたい?


こんな姿でも
生きて欲しいと思うおれは
今でもおかんを苦しめる。