『おめでと!』

赤い絨毯の上を、大ちゃんと手をつないで歩いていく。

色とりどりのフラワーシャワーが空を舞った。


「おめでとー、美憂!」

柚ちゃんが、花びらの入ったカゴで海斗を殴った。きっとわざとじゃないんだろうけど。

「いってぇ!」

「あ、ごめん。全く見えてなかったわ。」

何だかんだ言って、いつでも仲の良い2人だったりする。

2人を見て笑っていると、大ちゃんに声をかけられた。


「美憂、ブーケトス。」

「あ、うんっ」


花束を持って、みんなに背を向けて、教会がある方を向いた。

「せーのっ」

思いっきり花束を後ろへ投げる。

花束は空を舞って、いろんな人の手をはじいていく。

なかなか人の手に渡らなかった花束は、ある人物の手元へ収まった。