ヤバい…ヤバい、ヤバいヤバい!!


「美憂、顔がおかしいよ。」

「緊張してんのっ!」

柚ちゃんが鏡越しに笑ってあたしを見てくる。


「リラックス!もうっ、ガチガチじゃない!」

「だってー……」

胸を押さえながら、バクバクいってる心臓を沈めようとするが、無駄みたいだ。

「ダメ!何かダメ!」

治まることのない、動悸がますます酷くなっていく。

―ガチャ…

ドアを開けて、誰かが入ってくるのを鏡越しに確認した。

「よっ!」

「海斗!」

海斗が、ニコニコした顔で入ってきた。

柚ちゃんが勢いよく抱きつく。


「俺もいるしー…」

「遼も!」

その後ろから、遼がいじけた顔で入ってきた。

「いよいよだな。結婚式。」

そう、今日はあたしと大ちゃんの結婚式である。

卒業して数ヶ月、式場もドレスも2人で決めにいって、やっとこの日がきたんだ。

「美憂のことだから、緊張してんじゃねぇかなーと思って。」

「……分かってんじゃん。」