【沙也side】

「沙也。目とじて」

 きっとキスをするんだろう。あたしはそっと目を閉じた。

『ちゅっ』

 リップ音をたてて、あたしたちはキスをした。翔のキスは、前の彼氏とは違う。前の彼氏は、強引にキスをしてきた。ただ、苦しいとしか思わなかった。

「んっ」

 息が続かなくなったあたしは、甘い声を出していた。翔はそんなあたしに気付いたのか、そっと唇を離してくれた。あたしは息を吸いこもうと口をあけた・・・・・・のと同時に、翔の舌が入ってきた。

「ん。しょ・・・・・・お・・・・・・」

 翔の舌はものすごく熱かった。翔の舌は、ゆっくりとあたしの口の中で動いた。こんなキスは初めてで、どうすればいいのか分からないあたし。ぎこちなくも、翔の舌に自分の舌を絡ませた・・・・・・。翔のキスは、あたしをとっても幸せな気分にしてくれた。あたしは苦しくなって、

「くるしっ」

 って言った。翔はゆっくり唇を離してくれた。

「翔・・・・・・大好きだよ」

「ん。俺も」

 翔。ずっとずっと一緒だよ?