「もうすぐ太陽の奴のバースデーだなー」
ある夜、火星が、ふと話題をなげかけた。
「ああ、また、プレゼントでクレームつけられるのかなー。あの人、マイペースなうえにちょっと自己中だからプレゼントは慎重に選ばなくちゃなんだよね」
と金星。
「テキトーにヘリウムでもおくっときゃいいんじゃないのか?いくら、俺たちのお偉いさんとはいえ、あの人ごときのためにやすやすと金はつかいたくないだろう」
頭を抱えていた金星に、火星が断言した。
「だいたいさ、あんな基本ぼーっとしている奴がリーダーなんて許せないんだけどな。この俺のほうが相応しいし…。だいたい、リーダーだからって、みんなからプレゼントを収集するなんて…」
「火星、あまり悪口言うと、後で知りませんよ」
調子に乗り、あれやこれやと言いたい放題の火星を、水星が静かにせいした。
彼女は、一番太陽に近いせいか、その素顔を一番知っているらしい。
「あの人の二重人格差と言ったら、右に出る者はいませんものね。こないだも、あそこのケンタウルス座のことを半殺しにしちゃったとかで…」
ひそひそと語る水星に、全員呆気に取られた。
「それってやっぱ、ただの自己中なんじゃん」