『7 ソラ』

「あ…」

背中から声がした。
聞き覚えのある声に振り向くと、そこにいたのは存じ上げないお団子頭の女の子だった。

本屋のエプロンをしている。でもこんな女の子居たっけ?
そう思いよく見てみるが、ガッチガチのまつ毛に乗るんじゃないかと思うくらい重い前髪と、お洒落のつもりで垂らされている合理的でない横髪のせいで顔があまり見えない。

アキなら絶対に「うはぁぁぁぁ!目がぁぁぁぁぁ!」と言って拒否するに違いない髪型だ。

「あの…」
お団子頭が喋り出す。
「はい」
お団子に向き合う。
お釣り間違えて、言いにくいのかな?それとも値引き率間違えたのかな?
そんな事を考えながら、何を言い出すのか無言で見守る。
「……」
「……」
「…会いたかったー会いたかったー」

…何故出てきたAKB。

「すいませーん、ちょっといいですかぁー?」
カツカツと鋭いヒールの音がAKBの作りだした変な沈黙を破った。
雪村さんはつかつかとお団子の前に歩み出ると、仁王立ちで腕を組を組む。
「私たち、お昼休憩中なんですけど。用があるなら早くしてくれます?」

いや、用事があるのはあなたじゃないんですけど?
てかこの本屋来にくくなるんで初対面に絡むのやめてください。
てかあなたそんなキャラでした?