エルがホールに着くと、もうほとんどの人が集まっていた。

ホールの前には、
この村に時々顔をみせるだけの、
唯一の大人・村長がみんなを見渡している。



しばらくして、入り口から数人の村人(ショウを含む)がそそくさと入り終えるのを確認すると、
村長は一つ咳払いをして口を開いた。



「・・・さて、
みんな集まったようなので、話を始める。

知っての通り、君達は『ドルナ』という不思議な力を秘めておる。

力が発見されたのは数百年前も昔の事だが、
ある時を境にして、力は秘めていてもそれが発動することなく、成人を迎える者が増えておる。

しかも、ここ数十年に関しては、発動した者は5人にもみたん。」


新たな事実を知り、静まりかえっていたホールがざわめきだす。

まだ小さい子は意味を理解してはいなかったが、
雰囲気やみんなの驚いたような顔を見て、
何かを悟ると、
不安な表情を見せた。