愁蔵の良い所も悪い所も、俺は全て知ってる。


全部、ひっくるめて好きなんだ。




俺は、愁蔵の後ろ姿を眺めながら呟いた。

『なぁ…お前は、今のままで幸せか?』



「え?」

チャーハンを皿に盛り付けていた、愁蔵が俺の方を見ている。


(しまった…)


「……カタン」

チャーハンが盛られた皿を、テーブルに置いた後、愁蔵は俺の傍へとやってきた。



「今の、みぃ助か?」


一瞬、怖くて…目をつぶっていたけど、
愁蔵が、いつものように頭を撫でてくれたので、俺は…ゆっくりと目を開けた。



俺の瞳に映っている愁蔵は、優しく微笑んでいる。


『愁蔵……俺…、俺…』

プルプルと微かに震える自分の身体を抑えることなど出来ない。


「大丈夫…大丈夫だよ。みぃ助」


そっと大きな腕が、俺の身体を包み込んでくれる。


次第に、震えは治まっていった。



『怖くないのか…』


「怖いわけないだろ、俺達は友達じゃないか」


『トモダチ……』


嬉しいと思う気持ちと、まだ正直信じられないと言う気持ちが、半分ずつだった。


「そう、友達…。俺は、今のままでも充分幸せだし、それに…みぃ助がいる」


そう言って、愁蔵は
俺の顔を背けずに、ジッと見つめてくれた。



それが、凄く凄く…嬉しかった。