幼なじみ。

それは、幼少時によく遊んだ人。


そしてあたしにとっては、邪魔でしかたがない人物……達。





「はよ、杏里。早速だけどさ、キスしたいんだけど。」


そう言って、眼鏡をはずしながら結構整った顔をあたしに近づけてくる。


「やめてよっ!」

高校生活一日目、入学式。


これから約三年間通う高校に向かっている途中に、この男は近づいてきた。




「っていうか何でここにいるの!?おかしいよ!」

朝、いつもよりも早めに起きて、髪をセットしわざわざこいつ等に会わないようにしたはず。


そう、会わないようにしたはずなのに。





「お前、俺を何様だと思ってんだよ。」


にやりと微笑み、眼鏡をかけ直す。


「瀬川奏(セガワカナデ)様ですね、はい。」