その日から、リリアはマリンの世話役として働き始めた。 何だ、言うほど悪い人でもないじゃない 仕事帰り、城の廊下を歩きながらリリアは思った。 何人も辞めたと聞き、長年勤めている使用人たちに脅されて王様にさえも気をつけてくれといわれ、どんな人物かとビクビクしていたが─── 立ち居振る舞いは高貴な者そのもの さすがに王女だけあって人の前となれば迫力がある。 この人に仕えたいと思わせるようなものも、ある。