「千華子って、もっとさっぱりしてる性格かと思ってた・・・ゴメン別れよう」


また同じような理由でフラれた。

これで3度目。



自分の気持ちが叫びたくて、夜の海に向かって走った。


「ハァ、ハァ・・・ゲホッ」


必死に走りすぎて苦しくて・・・私は高校の制服のネクタイを緩めた。


ローファーを脱いで、ソックスもその中にグシャっと丸めて入れて、砂浜に向かってヨロヨロと歩いた。


足が砂に埋もれて上手く歩けなかった。



ザザア・・・ザザア・・・



海に近づくにつれて打ち寄せる波の音が聞こえてきて、私の胸をギュウっと詰まらせた。


切なくて悔しくて自然に涙がこぼれてきた。


夜の海は月の明かりがボウっと映って、なにもかも飲み込んでしまうような綺麗な明るい黒だった。