‐夏姫‐

私、堀内夏姫は晴れて
今日から高校1年生です。朝、早起きをして超キレイに身だしなみを整えた私は今、自分を鏡に映して
ニヤケてる。キモい…。
高1にもなって、学校が
楽しみなんて周りからは
あり得ないのかも…
だけど、私は小さいときから、頭の中に腫瘍があってしょっちゅう体を壊しては入院ばっかりだったから、元気に学校に行けることが嬉しくてならない。
だから高校生活、思いっきり楽しんでやる!!
ガッツポーズをしていると「夏姫ー遅刻するわよ。」ママの声。時計を見ると…8時…やば!!
私はもう一度鏡を見て、
微笑んでからバックを
持って学校へ向かった。

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学校につくと幼なじみで
私の親友、吉川美海が
校門の前に立っていた。
すごい、怖い顔をして…。「美海ーおはよ!そんな
怖い顔してどうしたの?」
「どうしたの?じゃないでしょ?今、何時だと思ってるの?」
私は腕につけた時計を見てその時刻を美海につげた。8時15分だった。
「私たちは何時にここに
来る約束をしたんだっけ?」
あっ!忘れてた!
7時50分に待ち合わせ
だったんだ!!
私の今思い出した。という顔に気付いたのか、
「もしかして、忘れてたの?」
と聞いてきた。私はしぶしぶ…
「すみません。」
とこたえた。心の中で
たくさん謝った。
目をつぶって下をむいていると美海が
「ま、すぎたことはしかないさ。次からは気を付けてね!」
と言った。私は笑顔で
「うん!!」
と答えた。

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それから2人でクラスわけの大きな貼紙を見に行った。
もしかしたら無理かもと諦めていた美海と同じクラスになれたことがスゴく嬉しくて、涙が出そうになった。
私たちのクラスは1年2組だった。それから私たちは歩いて新しい教室へむかった。