桜の花が散り始めた頃、ようやく俺の存在が皆の中に確定し、確立されてきた。


 別にどこのグループに属するわけでもなく、こびるわけでもない。


 色々な人達の所を行き来するのは楽しいだけ。


「今日もお菓子いっぱいあるよ~!」


 昼休み、クラスの女子が俺の所へやってくる。


「ホント? ん~、じゃぁソレちょーだい」


「はい、どーぞ」


「陸~! こっちもあるよー」