風鈴が揺れる中。 縁側に座って。 すでに、なくなってしまったアイスの棒を舐めていると 「夏が来た」って感じ。 でも、今年の夏は“アイツ”がいないから。 どうも、夏を感じないんだ。 風鈴の音も。 アイスの棒の独特の木の風味も。 蚊取り線香の香りも。 花火の火薬の焦げ臭さも。 祭りではしゃぎすぎてはだけた浴衣も。 全部全部大好きなはずなのに。 何故か心が弾まないの。 それは …───“アイツ”がいないからなのかな?