「後ろに置いてある袋、取ってもらっていい?」





車が行きと同じように高速に乗ってしばらくたった頃。

とーやクンが思い出したように言った。





「…これ?」





後部席に手を伸ばし。

手にとったのは濃紺の紙袋。





「それ、ゆずサンにプレゼント」

「プレゼント?!」





なにそれ?!

プレゼントって?!





言葉の意味が理解できない。

だって。

とーやクンからプレゼントなんて…貰う理由がないよ!!





「中、見てみ?」





運転中のとーやクンは。

顔こそこっちに向けないものの。

クスクスと笑いながら袋を指差した。





見ちゃって、いいのかな…。

貰う理由はないんだけどなぁ…。

でも中身は気になる。

とーやクンがいいって言ってるんだし。

…見ちゃえ!!





とーやクンの言葉どおりに中を覗くと。





「…あ…」





紙袋には。

雑誌のようなものが入っていた。