…とか思ってたら。

キキキィィーーッッ

ぶっ!

キュウゥ……


私は急ブレーキに対応できず、無様にフロントガラスに打ちつけられた。

「いったいなぁ!なんか言ってからブレーキして下さいよ…」

フッと、鼻で笑った零さんが、心の中では殺し屋とは思えなかった。

「こんな都会で殺ったらバレちまうな…」

殺ったら、という言葉で、現実に引き戻される。

「…よし、心愛ちゃん」

「…心愛で、いいです」

「…あぁ、そうだな。んじゃ、とりあえず泊まってくぞ」

…ん?泊まる?
車から出て、目の前の建物をゆっくりと見上げる。