「…由優ちゃん?」


「えっ?」


前澤君に呼ばれて、ハッと周りを見回すと、最後の授業が終わって放課後に突入していた。


チャイムが鳴ったことすら、全然気付いてなかった…。


ふと理緒の席を見ると、もう姿はなくて、次々と他のクラスからチョコレートを持ってやってきた女の子たちは、残念そうな顔をしていた。



用事あるって言ってたし、もう行っちゃったんだ…。

ボーッと理緒の席を眺めていると、前澤君は心配そうに首を傾げた。