その後も私は学園で起きた事件の真相を探るべく、独自に調査をすすめた。

容疑者だと目星をつけていたクラリエ教諭が入院した今、クロと思われる人物は皆無に等しい。

或いはクラリエ教諭もまた何者かによって操られていただけで、更なる黒幕的な存在が潜んでいるのか。

そう考えて…。

「まさか」

私は首を横に振った。

考えてみればそうだ。

この天空宮学園には校則違反者こそ星の数ほどいるが、故意に生徒や教師を傷つけて愉悦を感じるような人間はいない。

いないと信じている。

クラリエ教諭に疑いの眼差しを向ける事自体が私の誤りなのかもしれない。

偏見の目を向けてはならない。

先日のリリムさんの一件で学んだのではないか。

浅慮だった自分の頭に、私はコツンと拳を入れた。