――ガチャ

お兄ちゃんの部屋の扉を開ける

ふわっとお兄ちゃんの香水の
香りが私を包みこんだ

「お兄ーちゃん、勉強教えてっ」

課題のノートと筆箱を持って部屋に入る

「おん、いいけど」

音楽を聴きながらベットに寝転んでいた
お兄ちゃんは音楽を消して起き上がった

こんなどこにでも居そうな私達兄妹には
誰にも内緒な秘密があるんです

私のノートの1ページ目に
書いてある相合い傘

その名前の片方は
私の名前、聖羅<セイラ>
もう片方の名前は
お兄ちゃんの名前、泰裕<タイスケ>