気持ち悪い。吐き気がする。
眠れない……
そう思いつつ、私は寝返りをうつ。
横では夏実が荷物の整理をしているらしく、小さなもの音が聞こえる。
私に気を使っているのだろう。
最小限の音しかきこえない。

「なぁ」

私は夏実に声をかけた。

「ん?あ……ごめん、うるさかった?」

「いいや。どうも眠れなくて」

体を起こすと、心配そうな目をして夏実が私をみた。

「横になってたほうが……」

「あきた」

「あきたって……」

「……っ」

急にぐらっと視界が揺らいだ。
私が頭を左手でおさえると、夏実はあわてて私の側へ駆け寄った。

「狼!」

これは……完全に酷くなってる。
アテ島にいった時よりも。
なんなんだ……。