「いや、佐伯ちゃんには罪はないだろ」
親友の智紀があきれた顔をして言う。

「そうなんだけどさぁ~。でも、寝顔は可愛かった」
廊下は白い息が出るほど寒くて、中に着てるセーターの袖を伸ばした。
「お前、言ってること矛盾してない?」
「女の子は皆可愛いんだよ」
智紀はまたあきれた顔をした。

学食何食おうかな。

リノリウムの床と靴の擦れる音が小気味よくて、今日はカレーを食べることにした。
「カレー食いたい」
「俺うどん」