「俺とアッキーは京香と同じ休憩時間だったけど。そんとき、アルバムはそこに置いてたから、誰もさわらなかったよな?」

小さな棚の上を指差して、篤紀の確認をとる竹下くん。篤紀は「あぁ」とうなずいて、泣いている彼女を心配そうに見つめる。

「俺は今日、4時間労働だから休憩なんてなかったよ」

沢木くんもそう言って、はぁっと深いため息をついた。そして、彼はなにも言わずに、またあたしを見る。

「……あたしが休憩に入ったときは、そこにありましたけど」

冗談じゃないわよ。なんでそんな目で見られなきゃなんないわけ?

急いで自分も同じように、知っていることを話した。けれど、すぐに問いかけられる。

「美和ちゃんって、俺たちの前に休憩……だったんだよね?」

普段はニコニコしている竹下くんの、真面目な顔。「はい」と答えると、彼はあたしから目をそらし、こう言った。

「なんで、アルバムの位置が変わってるんだろ。……俺たちの後に誰もこの部屋に入ってはいないはずだし」

あたしの休憩が終わってから3人が控え室にくるまでの時間があやしい、と言いたげな口調。

いや、きっと彼もあたしを疑ってる。