いつもの図書館。


あたしは放課後、そこへ足を運んだ。


司書の冷たい視線を無視して。



そして、いつもの窓側の席に座った。



「久しぶり」


あたしは目の前に居る奴に笑いかけた。



「あんたは勉強したって頭に入らないでしょ」


「まぁね」


この子犬のような優しい微笑みを見せるのは


“微笑みの貴公子”こと久保田蘭。



あっ、因みに正木悠太は現役生徒会長だった時は


“甘いマスクの統率者”と呼ばれていた。



もう一人は・・・またあとで説明する事にしよう。