◆~夏貴said~◆


--あれは、今から12年前のこと。

『ナツ君、遊ぼーよ』


「いいよハルちゃん」

まだ幼い頃の春、近所のハルという女の子と毎日遊んでいた。


…この桜の木の下で。

何をするにもいつも一緒。



それが当たり前になっていた。


『ナツ君、今日はお医者さんごっこしようよ!あたしがお医者さんねっ』

「うん!」


今思えば、家族ごっこだったりお医者さんごっこだったりつまらない遊びばかり。



ばかばかしいものばかりだ。


でも、ハルと一緒ってことが最高だった。


ハルという存在がオレを支えてくれた。