ケータイ小説 野いちご

(短編)フォンダンショコラ

君との現在(いま)

あれからまた、時が流れた。今日はホワイトデーだ。

けれど、私はもう社会人。飲食店に勤める私が、休みなど貰えるはずはなく、今日もカップルたちの囁かなお膳立てに徹している。


めでたく隼人とまた一緒にいられるようになった私は、早速それを店長と料理長に報告した。店長は、「これで仕事に身が入るな。」と言い、料理長は「俺の手ほどきのおかげだな。」と言った。
二人とも素直には言ってくれなかったけど、充分に祝福してくれた気がした。


あれから私たちは、少しだけ遠距離だけれど、順調に交際を続けている。私が仕事が休みの日は、隼人のアパートまで泊まりに行ったり、仕事の帰りにご飯デートをしたり、囁かなことだけど、一緒にいられるだけで十分に幸せだった。


今日は、仕事が終わった後に会うことになっている。

「レストラン予約したから。」って昨日電話で言っていたけれど、私の仕事が終わるのは22時。
そこからレストラン・・・?
空いている場所なんて、あるんだろうか。

気になったけど、あえて聞かなかった。


でも、会えるだけでも嬉しい。
早く仕事終わらないかな・・・。








そんな気持ちを抱えながら、仕事が終わるまであと30分と迫った頃。うちのレストランは、ラストオーダーの時間を迎えようとしていた。

しかしそこへ、一人の男性が入ってきた。

ラストオーダーが迫っていても、過ぎていなければ、うちのレストランはお客様を入れることにしている。

内心、今更・・?とも思いながら、私はその男性に近づいていった。

しかし近づくにつれて、私はその人がよく見知った人であることに気が付いた。



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