ブツリと切れた電話。

六道さんは無言のまま俺を見る。

彼が何か言う間もなく。

「おい、永瀬ってのはお前か?」

森脇隊長が、俺の黒いTシャツの襟首を掴んだ。

「何でお前に犯人からの名指しがあるんだ?何か恨みを買うような事でもしたのか?あぁ!」

興奮気味にまくし立てる森脇隊長。

六道さんがそれを制した。

「森脇さん…ちょっと訊ねたいんだが」

「何だよ!」

「……」

あくまで冷静に、しかし真実を見極めるように。

「この案件、『八戸由岐』が絡んでいる可能性は?」

六道さんは静かに言った。