浅木が気がつくと、そこはいつもの自分の部屋の布団だった。


体には包帯が巻かれていた。


日めくり暦で、あれから2日経っていることを知った。


重爺が入ってきた。

「気分はどうかな。

まだ、無理はせんほうがいい」


浅木はなんとか上半身を起こした。


「どうすればいいんだ」


浅木は重爺に氷雨の技の対応法を訊いた。


「氷雨の虎歩は瞬歩という。

瞬歩には、瞬歩で逃げるか。

無間抜刀で対抗するしかあるまい」


瞬歩は一瞬で間合いに入って攻撃する技で、無間抜刀は、瞬歩で入ってきた敵をそれと同時に間を開けずに攻撃する居合い術だった。