言葉とともに開けられた小さな箱。その中には指輪が入っている。

う、うそ!これって本物?

思いもしなかったことに私はただただ驚くばかり。




「返事は?」




一樹が困ったような顔で私を見ている。




「え、あぁ..その.....。」




上手く言葉が出てこない。その代わりに、嬉しさと不安が溢れてきた。




「わ、私でいいの?」




私なんてドジだし、何の取り柄もないし…。それに…自信ないよ。

止まっていた涙がまた溢れ出した。すると、泣いている私の頬を一樹の大きな手が優しく包んだ。そして、ゆっくりと溢れ出している涙を指で拭った。





「お前がいいんだよ…花梨。」




『だから返事は?』
そう言ってふんわりと笑った。