多分、誰にでもどうでも良くなる時ってあると思う。


24歳になって、彼氏と別れて自暴自棄になっていた。
毎晩お酒を飲んで酔っ払ってナンパ待ちする日々。

その日も酔っ払っていた。

手当り次第泊めてくれる男を探していた。
背が高くて気品のある、かっこよさそうな男を見つけ、フラフラと近寄って行った。


「お兄さん、今晩は。
今日良かったら、あたしを拾ってくれない?」

下から覗き込んだ時のあの綺麗な顔は、一瞬あたしの頭をショートさせた。


「…興味ないんでね。」


離れようとする彼の腕を掴んだ。

「待って!
ねぇ、お願い。
泊まる所ないの。」


「………家はダメだ。
ホテルならいい。」


どれだけイケメンでも、結局は女と遊びたくて仕方ないんだよね。


「お前酔っ払ってるだろ。
しっかり歩け。」

彼に寄りかかっていると、イラついた声で腕を離された。


部屋に入ったらすぐに彼に抱き付いてキスをしようと背伸びすると、思い切り体を引き離された。