何気ない日々を
ただ普通に過ごしてきた。
そんな自分がまさか
こんなに過酷な人生を
歩む事になるなんて
思ってもいなかった。


菅原奈緒 15歳
あたしは一ヵ月前に
高校生になったばかりの
どこにでも居る
ホントに普通の女の子。


『あ〜今日も特に何も
なくてつまんなかったなあ〜…』
高校生ってなんだか
毎日がすごく楽しいもの
だと勝手に思い込んで
いたから、予想外の
毎日が少し退屈に思えた。

そんな事を考えながら
街の中を歩いていると
あたしの大好きな
EXILEの歌をギターを
弾きながら歌っている
声が聞こえた。


その歌声を追っていくと
そこには一人の男が居た。



その男の歌声はとても
優しくて透き通っていて
あたしは聞き入って
しまった。


曲が終わると男は
急に話かけてきた。
『君、夢中で聞いてたみたいだったケド、俺の歌そんなによかった?』

『かなり!しかもあたし
EXILE大好きだし!超感激したぁ〜』

『まぢで!?やべーかなり嬉しい…てか、また聞きにきてよ』

『もちろん!毎日でも来るよ!!』

『はは、嬉しい事言ってくれんね〜。あッ、俺知弥って言うんだ!よろしくな!!』

『あたし、奈緒!よろしくね!!』

そう言って二人は
握手をした。


これが二人の出会い
だったね。






それからあたしは
学校が終わると毎日
知弥の所に行った。
知弥の歌を聞いて
たわいのない話を
するのがあたしの
日課になった。

『いやー今日も最高だったよ。知弥の歌声聴くと
なんだかすごい暖かい気持ちになって涙が出そうになるんだあ』

『そう言ってもらえると
かなり嬉しいよ。
じつわさぁ〜俺もう2年
くらいこーゆの続けてる
んだけど、立ち止まって
ちゃんと聴いてくれたの
奈緒が初めてなんだ。
だから奈緒は俺にとって
特別な存在なんだ』
そう言って知弥は
今までに見せたことのない笑顔を見せた。

ドキドキした…
あたしはもっと知弥の事を知りたいって思った。

知弥に恋をした…