空から落ちてくる、白く冷たい結晶。 「わぁー。ゆきだぁ。ゆきだよ、おかあさん」 小さな少女は、空からしんしんと降っては積もる雪を 瞳を輝かせながら眺めていた。 「つめたい」 小さな小さな手で、真っ白な雪を掻き集める少女。 「ほら、真帆子」 真帆子と呼ばれた女の子は、 母親から赤い手袋を受け取り、その小さな手にはめた──。