恐ろしいほどのスピードで実験を終わらせてる子がいる。

黙々でもなく淡々でもなく、言うならガムシャラに実験してる感じ。

あまりの気迫に、声をかけづらい。

シゲに頼もう。

と、思ったけど、シゲは他の子を教えていて。

ダメだ、早くしないと片付けまで終わってしまう。

……仕方ない、俺が言うか。


「終わったら、報告してね?」

「……」


おい!

声かけたんだから、返事くらいしろよ。


「何か、機嫌悪くね?」


思わず俺が呟いた言葉に、明らかに不機嫌になった様子。


「わかりました!」


噛みつかんばかりの勢いで振り返った。

かと思うと、パッと顔色が変わった。


「わかってるなら、いいんだけど。」


やっぱり、俺、人に教えるのとか向いてねぇな。

今さらながら思う。