いきなりですが、朝です。

目覚まし時計が甲高く鳴っています。

設定時間は6:40。

私が普段起きる時間よりも、1時間近く早いです。


「もっかい寝ようかな……駄目だ、起きなきゃ…」


布団の誘惑に負けそうになった時、昨日の夕方のことを思い出した。


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『起床が7:30だと?それでお前は、ダラダラと適当に着替えて、適当に髪をセットして、ノロノロ朝メシ食って、ギリに家を出る…と?』

『はい…問題、ありますか?』

『問題…というか、むしろだらしのない中学生男子の、朝の情景をそのまま現したようだな』

『つまり遠回しに、問題があると言いたいんですね…』


私は床にじかに正座、先生はベッドに足を組み座っている。

見下すような、虫けらを見るような、そんな瞳で私を見ている先生…いつ踏み付けられてもおかしくない状態。


『改善策を教えてやる、まず目覚まし時計を貸せ』

『?…どうぞ』

先生に時計を渡すと、アラーム機能をいじりだした。


『このぐらいか…、今から俺が言うことをよく聞けよ?』

『…ぁ、はい!』


その後先生は、私が普段絶対にやる気力も出ないような、面倒な朝の用意の仕方を教え込んできた。


 ‐─


「…っと、何だっけ?確か始めは着替えから…」

それもただの着替えじゃなくて、まず全身鏡の前に立つ。

「それから服を脱ぐ……なんか、恥ずかしいような…」

自分の裸(下着姿)を真正面からまじまじと眺めるなんて、異常行為に思えてくる。