「あのヲタ、アニメのキャラにでもなったつもりか?
 どうやってヤツらに向かう気なんだ!?」

ミキは苛立った声でつぶやく。

スクラップの山に落ちたレイヤはどこか痛めたらしくのそのそと立ちあがろうとしてる。

中国人らしき男がレイヤに向かって何か叫んでる。

ヨースケは、レイヤが飛び降りた船を見ている猫耳堂の店長のところで車を止めた。

「早く乗りな!」

ヨースケが声をかける。

「ミキちゃん、レイヤが……」

「見てたよ。さっさと乗りな!」

ミキは店長と顔見知りらしいが不機嫌に後部座席を親指で指して合図する。