「実は、今日は茅乃(かやの)に

ママからプレゼントがあるの❤」





 語尾に❤マークなんてつけちゃって、ママはにっこりとあたしに微笑んできた。





「プレゼント~?」





 帰ってきて早々、そんなことを言われたものの、今日は別にプレゼントをもらえるようなイベントもない。


 誕生日はまだ先だし………。


 あたし、ママから何かプレゼントを貰うようなことしたっけ?


 はて~?





 首を傾げていると、ママは突然一枚の写真を私の前に出してきた。





 テーブルの上に置かれた一枚の写真。


 あたしはジッと写真の人物を見る。


 スナップ写真であることは間違いない写真。


 カメラを向けられて嫌がっているのか、片手で阻止しようと微かに手が写っていた。


「で? この写真が何?」





 写真からママへと視線を向けると、にっこりと微笑むママ。


「すごくかっこいいと思わない? 彼」


「………え?」





 そう言われて、もう一度写真へと視線を戻す。


 確かに………カッコいいかもしれない………。


 だけど、遮ろうとしている手で顔は半分くらいは隠れて見えない。


 だから、これだけではなんとも言えないんだけど………。