「ったくよぉ、何でオレらがこんなことせにゃあなんねぇんだよ(怒)」
「兄貴、気持はわかるっすけど手が空いてたのはウチらガーランドっすからしょうがないっすよ。それにしても誰がやったんすかねぇ。塀という塀に落書きなんて。」
確かにそうだ。大方どっかのガキンチョがやったんだろう。だがこの落書きビミョ~に見覚えあるんだが・・・。
「なあ大樹」
「どーしたんすか兄貴?」
「ちょっとオレ用事思い出したわ。しばらく他の隊士と落書き落ししてくんねぇか?」
こんな落書きするヤツはきっとヤツだ!そーいやあのバカ10時頃から姿見てねぇぞ!?
あのバカがやったんならウチにいんのか!?




ちるみ!ちるみじゃね・・・おわっ!
オレの妹はDSiを手に静かな怒りを燃やしてやがる。
「・・・誰がしたか知らないけど・・・赦せない・・・。」
ぽつりと声もなく妹は端正な横顔を無表情に凍らせつぶやいた。
妹の澄んだ黒い眼は怒りを湛え、溢れる膨大な螺旋力がビリビリ伝わるぜ。
ヤベェなこりゃ。うかつに関わりゃ命が保ちそうにねぇ。ちるみが16の頃だから2年前か。そん時兄妹喧嘩したんだが、そん時オレは怒りに燃えたちるみにやられて3日ほど生死の境をさまよったけな・・・。確か虹色っつーかちるみの夢の中でも怒りに燃えたちるみにメッサー共々生死の境を散歩したっけ。
思い返せばちるみって異常に高純度で最上質で無限の螺旋力の持ち主でそのせいかかなり強く、黒く澄んだ眼が怒りを湛えてるなら近寄らない方が身のためだ。
くわばらくわばら―近寄らない方が身のためっと。

「・・・お兄ちゃん・・・」
ビクッ!!!
おいおいマジかよ?怒りのちるみにマジ巻き込まれかよ・・・。
「・・・お兄ちゃんは・・・私のイナズマやんないよね?だってお兄ちゃん自分のあるし」
イナズマ?あぁ確かに自分のあっからちるみのでやんねぇな。ま、まさかアレじゃねぇよな!?
「・・・セーブデータ、誰かが消した・・・。」
か~っやっぱそれかよ。ヤベぇぜこりゃ。ちるみ今イナズマにハマってていつかBerryz工房のメンバーとも対戦するんだみたいなこと言ってたからな。そのデータ消されたってなったら、消したバカは戸籍から消えるな。