ケータイ小説 野いちご

【いちご塾】課題提出帳【桜璃】

【11月第1週課題(A)】台詞専念

「兄貴、ただいま」

「…あ、陽。お帰り」

「何してんだ?そんな所で」

「ん…夕陽が綺麗だったから、ちょっと見てた」

「へえ…帰ってくるときは気にしてなかったけど、こうして見ると綺麗だな…って、おわ!」

「な、何?!」

「びっくりした…今、床板のここん所思いっきり沈んだ…」

「え…母さん、よく毎日洗濯物干してて平気だな…」

「あぶねーな…飯ん時父ちゃんに言っとかないと」

「だな…いつ抜けてもおかしくないし」

「今抜けたら俺たち庭に真っ逆様だな」

「はは、大怪我間違いなしだ」

「ははは、だな。……………はー…」

「……どうかしたのか?」

「…や、夕焼けってじっくり見たら色んな色で出来てるんだなと思って」

「ああ、確かに…緋、赤、橙、黄、蒼、紫…他にも名前の分からない中間色が沢山混ざってる」

「この色合いってさ、もう二度と見られないんだよな」

「…そうだな…。…………」

「…?……兄貴…?」

「…なあ、陽…陽が僕を“兄ちゃん“って呼ばなくなったのって、いつからだっけ…?」

「…え……」

「陽が高校に入った時にはもう、兄貴って呼んでたし…いつからだっけ?」

「…それは…………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「……………」

「…………忘れた」

「へ?」

「そんな前の事、もう忘れた。」

「な…そんなわ」

『星ー!陽ー!夕飯出来たから降りてらっしゃーい!』

「ほら、飯だってさ。俺先に行ってるからな?」

「あ、ちょ…っ…陽!」

「兄貴も早くなー」

「…陽!!……………………たく…嘘、下手すぎ」

『星ー!!あんたも早く降りてきなさーい!』

「はーい!!……はぁ……陽の口からちゃんと聞いてみたかったんだけどな………また、次の機会…かな」


 

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