街は、近づくクリスマスの足音に、賑わっていた。





そんな街の様子とは全く違う、私とお母さんを包む空気。






「水樹……、っごめんね。水樹……」






お母さんは、ひたすら謝っている。






私の名前を何回も呼んで、謝るお母さん。



私といえば、なぜだか喋ろうとしても声がでない。







なんでお母さんは謝っているの?
なんで私の声がでなくなっているの?





なんで、なんで?





私の声が出る前に、お母さんは私を置いて、そのまま走っていった。









あぁ、私、捨てられたの?








ひたすら冷静になろうとして考えてみるけど、自分の身におこったことが、いまいちわからなかった。







ただ、わかったのは






孤独と、寒さだけ。