「情けないね、ナツ」

「まったくだよ」



乱闘が終って、倉庫に戻ってくるとユウ君たちがあきれ返っていた。



「幹部を全員置いていくなんて、馬鹿?」


「まったくだよ」


「しかもそれでボロ負けしてAngelに助けてもらうなんて、ナツ。Satanの名が廃るよ?」


「まったくだよ」


「沙南ちゃんごめんね?」


「まったくだ…ぐふっ!」



“まったくだよ”しか言わない智輝をナツが足蹴りするのを横目で捕らえながら、ユウ君に大丈夫だといった。




「まさかお前がAngelとはな」


「…何よ?」



不服そうな拓眞を不機嫌に眺めた。

納得がいかないような、でも肩の荷が下りているような感じ。




「確かお前こないだ俺の高校に現れたよな?」


「…は?」