それから担任の嫌がらせは始まった。

まずは毎日のように家に電話をかけてくる。

「息子さんの服装が・・・」

「息子さんの態度が・・・」

「ご家庭ではどういった教育をされてるんですか」

こういう母親をひどく悩ませる嫌がらせな電話が続く。

父は全く気にしていなようだが、繊細な母は電話がくるたびに頭を抱えてうつむいて泣いていた。

母は俺に気づかれないようにしていたが、俺は気づいていた。

母が一人泣いているのを・・・。

俺は申し訳なくて申し訳なくてしょうがなくなる。

どんな理由があろうと母を悲しませている。

過去に自殺未遂をして母を泣かせ、そして今は担任との対立で親を泣かせている。

俺はただただくやしいばかりだった。

担任への怒り、憎悪が、日に日に増していく。

我慢するしかなかった。