部活も引退して、毎日やることは受験勉強ばかり。
私の家族は頭がいい人ばっかりなのに、なぜか私はバカで、物覚えが悪い。

だからそんな私から少しでも改善しようと勉強を頑張ったのに、順位はピクリとも動かない。


そんな私を見兼ねたお母さんが、食事中突然報告をしてきた。


「結菜には、明日から家庭教師についてもらうからね。」

「えっ!!?」

「だって、結菜はもう受験生でしょ?」

断る理由もないから、わかったとだけ返事をして、食器を片付けた。

「何も不安な事はないわよ?お母さん、かっこいい人を頼んどいたから!」

少し楽しそうなお母さん
(男の人なんだー……)
大丈夫かな、と再度不安に見回れた。


「所でその人何歳なの?」
「えーっと……19歳みたいね。」
「4歳差!?」

またまた衝撃を受けた。
お母さんは年上の人のほうが魅力があるわよ なんて言ってるけど、かなりどうでもいい!

「勉強してくるっ!」

それだけいって、階段を上った。
バタンと、力強くドアを閉めた。