「ごめん! でもあの服装じゃしんどそうだったし……澤村を運んで部屋に入ったらちょうどパジャマもあったから……」
あのあと山岸君は微妙な空気の中、お弁当を食べ切った。
なかなか神経が図太いらしい。
私は山岸君が食べてる間ずっと山岸君に背を向けて寝ていた。
ただとにかく恥ずかしくて。
それが山岸君には怒っているように見えたらしい。
さっきからずっと謝ってくれている。
「本当にごめん。でも本当に見てないし! いや、ちょっとは見ちゃったけど……でもそれもわざとじゃないんだ」
……なんて馬鹿正直なんだろう。