それから。

あたしの足の痛みが治まってもなお、ソラに会えない日は続いた。


ソラは何度も連絡をくれた。

メールは毎日のように。
そして2日に一度は、電話だって。


ソラはあの日、あたしが足を引きずりながら帰ったのを見ていたようで、少し長めのメールはいつも、あたしの怪我の具合を気遣う言葉から始まっていた。


メールによると、

相変わらず両親と管理人夫婦の監視が続いていて、

あたしや先輩のことは、双子の関係を知っていたのに止めなかったという理由で「要注意人物」扱いされているらしい。

思うように電話ができなくてメールが多くなるのはそのせいだと書いてあった。



そしてメールの最後は決まって

《やっぱりこの前のこと、怒ってるの? どんなことでも聞くから、返事が欲しい》

っていう文章。



──あたしは、一度もソラのメールに返信することができずにいたんだ。