ゆっくりと学校を出て、バス停に着いたときにはもう19時半になっていた。

次のバスは、この前の雨の日、偶然ソラと一緒になった、あのバスだ……


ふと、あの日ソラと2人で歩いたことを思い出す。

だけど、あたしは首を振って、そんな記憶を頭からかき消した。

よそう。

もう、ソラのことを考えるのはやめにしたんだから……。



あたしはベンチに座ると、先輩がどうしているか気になって、携帯を開いた。

原チャリ、どうなったのかな。

無事に直って、帰れたのかな……



あたしの携帯の着信履歴も発信履歴も、ほとんど先輩で埋まっていた。

あたしは先輩だらけの履歴の中から一つ選ぶと、通話ボタンをおした。