「久我さん、大丈夫ですか?」

パーティルームに戻ってきた瑞希に、実花さんが心配そうに駆け寄ってきた

椅子に座っている真琴がちらっとこちらに視線を送るだけで、とくに近づこうとはしなかった

「実花ちゃん、お薬ありがとなー
もう元気になったわ!」

青白い顔をして、瑞希が無理やり笑顔をつくっている

本当は辛いだろうに

またトイレに行きたいとか考えてるに決まっている

好きな子に心配されているとわかると、それ以上心配されないように頑張るのが瑞希の性格だ

頑張りすぎて、ぷつんと糸が切れて倒れることは何度もあった

けれど、瑞希はつらそうにしている姿を他人に見せるのを嫌っているんだ