「岸本利緒?」


美玖が興奮気味に出した名前を繰り返す。


その名前は、ジュエリーデザイナーを目指すものでなくても、聞いたことくらいはあるだろうというくらい有名な名前で・・・・


「知らないわけないじゃない。世界的に有名なジュエリーデザイナーだよ?あたしの憧れの人!」


「じゃあさ、慧君がその岸本利緒の息子だって知ってた?」


その言葉に、あたしは固まった。


―――は?今なんて?慧が・・・・・・


「・・・・・嘘」