放課後。



鈴のおごりって事で、何をごちしてもらおうか考えたけど、結局いつも行く甘味屋さんに♪



甘味処『すぃーと』



学校帰りに鈴と、週3のペースで来てるお店なんだ。




「こんにちわ♪拓さんきたよ♪」



「お~、いいとこにきたな!」



そう言ってお店の奥から出てきたのは、
茶髪の短い髪。ちょっと色黒でいつも頭に白いタオルを巻いたこの店の店長。



伊豆 拓矢(イズ タクヤ)さん。通称…拓さん



ちょっと暑苦しい人だけど、いつも私達によくしてくれるいい人なんだ♪




「え、何かあるの??」



「まぁまぁ、座れって!」




言われた通り、いつもの席に座る。




「じゃじゃーん、新作!!」


「わぁ~!嬉しい!てか、可愛い♪」




私達の目の前に出された新作…



ピンク色の大福みたいなのに、生クリームと苺が乗っけてあって赤いソースでお皿をデコってある♪




「名付けて、『苺チャン♪』」



「そのままじゃん!」



「まぁ、細かいことは気にしない!
さっ、食べてみろ!」



「いただきま~す!」




――パクッ




「おいひぃ~!!拓さん、すごくおいひぃ!ねっ!えみ?」




鈴が口元に生クリームをつけたまま、私に聞いた。




「うん、美味しい!けど…」



「美味しいけど?」




確かに、見た目もいいし、中のいちごアイスも美味しいけど…何か足りない。




「これさ、中のいちごアイスにこのラズベリーソースを混ぜてみたら、もっと美味しくなる予感がする…」



「ほうほう。…やってみるか。やっぱりえみに聞いてよかったわ~。実は、これ俺の考えた新作じゃないんだよ。」



「やっぱり、何か拓さんっぽくないなぁと思ったんだよね~。」



「えみには、バレたか~。」




いつも私に、新作の味見をしてくれって拓さんによく頼まれるけど、今回は何だか拓さんっぽくないというか…